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【日焼け止めの知識】SPFやPA+の計算方法、選び方について

更新日:【日焼け止めの知識】SPFやPA+の計算方法、選び方について

日焼け止めの指標である SPFPA+ の計算方法などを解説します。


海、登山、キャンプ などの野外レジャーを楽しむ際に忘れてはいけないのが「肌のお手入れ」。すなわち「日焼け止め対策」です。

とくに夏の日光はとても強烈。素肌へ長時間 浴びてしまうと、赤く腫れ上がったり、ボロボロになったり、シミ・ソバカスができたり、とても悲惨なことに。

それを防ぐために 数多くの "日焼け止め" が市販されていますが、説明書を読んでも「SPF30」や「PA++」なんていう ワケの分からない用語だらけ…。


そんな時は、本稿の「日焼け止めの基礎知識」を ぜひご参考にしてください ^^

目次
【日焼け止めの知識】SPFやPA+の計算方法、選び方について

紫外線の三種類(UV-A, UV-B, UV-C)

日焼けの原因となっているのが、降り注ぐ日光に含まれている「紫外線」。

では まず始めに、ちょっぴりと理科のお勉強をしましょう。

え〜っ、なんで!? と思うかもしれませんが…、PA+やSPFの意味を理解するためには 今からご紹介する理科の知識が必要不可欠♪


実は 一口に「紫外線」と言っても、UV-A, UV-B, UV-C の三種類に分かれているんです。

老化の原因「UV-A」

UV-Aは、地表に届く紫外線の90%以上を占めている、紫外線3種類の中で 最も人体への害が少ない光線です。

「最も人体への害が少ない」といっても 安心はできません。たしかに人体機能そのものについては さほど害はありませんが、美容には大敵!

肌の奥にあるコラーゲンやエラスチンといった 美肌に欠かせない組織を、UV-Aは破壊します。その結果、肌にシワやたるみが発生し 老化の原因に…。


また、UV-Aを浴びると 皮膚にメラニン色素が合成されます。メラニン色素によって皮膚が黒っぽくなり、シミ・ほくろが発生。

※ なお、日焼けサロンで照射される光線はこのUV-Aです。小麦色の肌は一見すると健康そうに思えますが、肌が老化してしまっていることを肝に命じておきましょう。

UV-Aはガラスなども透過するため、屋内でも注意が必要です。また、曇っている日でも快晴日の80%ほどの量が降り注ぐため、曇り空だからといって安心はできません。

UV-Aの1,000倍怖い「UV-B」

UV-Bは、UV-Aの100〜1,000倍人体へ有害といわれる紫外線です。幸いなことに 物を透過する力が弱く 空気中で分散されてしまうため、地表へ届く紫外線のうち10%未満。

しかし その僅かな量であっても、水ぶくれや炎症など、皮膚を強烈に日焼けさせる原因となっています。

また、白内障(目の病気)や免疫力の低下、皮膚ガン といった、深刻な症状を引き起こすことも…。

とくに目は とてもUV-Bに弱いため、夏場に出歩く際は サングラスやつばの付いた帽子をかぶるようにしましょう。


ところでUV-Bには、デメリットだけではなくメリットも存在します。

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上記リンク先でも触れましたが、UV-Bを浴びることで体内にビタミンDが合成。痩せやすい体質になったり、体内時計の調節も期待できます。

「美肌のためには、ほんの10分でも日光を浴びては駄目!」という人もいますが、・・・健康面も考慮すると、1日15〜30分程度の日光を浴びることは、身体にとってメリットの方が大きいと思われます。

もちろん プール・海・登山は30分では終わりませんから、夏のレジャー時には なんらかの日焼け対策を行った方が良いのは、言うまでもありません ^^

全ての動植物に有害な「UV-C」

UV-Cは、UV-Bに比べてさらに有害な紫外線です。全ての動植物にとって 浴びることのメリットは何一つありません。

その強烈な作用は紫外線殺菌装置に採用されている程で、生物にとって致命的な細胞破壊(DNA破壊)を引き起こします。

なお、UV-Cは 地球をすっぽりと覆っているオゾン層によってブロックされ、地表には降り注いできません。

もしUV-Cが地表へ降り注いできたら、皮膚ガン患者が爆発的に増えて大変なことになります。


オゾン層に穴が空く「オゾンホール」が ときどきニュースになっていますが、とりあえず現時点においては、UV-Cを考慮しなくてもよさそうです。


さて、上で勉強した紫外線の知識を踏まえ、ここからは日焼け止めによく使われている表記について解説していきます。

日焼け止めの「PA+」とは?

まずは「PA+」から。

PAとは「Protection Grade of UV-A」の略で、その日焼け止めが、どれだけ紫外線中のUV-Aから肌を保護してくれるのか を表したものです。

「PA」の次に「+」が並ぶのですが、この+が多ければ多いほど UV-Aからの保護効果が高いことを示しています。

PA表記UV-Aからの保護効果
PA+ある
PA++かなりある
PA+++非常にある
PA++++極めて高い

「かなり」「非常に」「極めて」という曖昧な表現ですが、UVAPFという明確な判断基準もあります。

UVAPF(PA+)の計算式

UVAPF = [1] ÷ [2]

[1]:日焼け止めを塗った部分の皮膚が黒くなる最小UV-Aの量

[2]:日焼け止めを塗っていない部分(素肌)の皮膚が黒くなる最小UV-Aの量

PA表記UVAPFの値
PA+2〜4未満
PA++4〜8未満
PA+++8〜16未満
PA++++16以上

日焼け止めの「SPF」とは?

次に「SPF」。

SPFとは「Sun Protection Facter」の略で、どれだけ紫外線中のUV-Bから肌を保護してくれるのか を表したものです。

SPFの数値が大きいほどUV-Bからの保護効果が大きくなり、日本国内での最高値は "SPF50" と定められています。

SPFの計算式

SPF = [1] ÷ [2]

[1]:日焼け止めを何も塗っていない場合(素肌)の、日焼けの進み具合

[2]:日焼け止めを塗った場合の、日焼けの進み具合

例えば SPF20の日焼け止めを塗った場合、素肌に比べて UV-Bによる日焼けスピードが 20分の1になるということです。

自分に最適な、日焼け止めのSPF計算方法

個人差はあるものの、人はおおよそ10〜30分で日焼けをします。

SPF10の日焼け止めを使用した場合は、20分 × SPF10 = 200分。

つまり

  • SPF10を塗って3時間20分(200分)経った肌
  • 何も塗らないで20分経った肌

が、大体同じぐらいの日焼けということ。


1〜2時間ちょっとプールに行くという程度ならば、SPF10で充分。海で一日中ガッツリ泳ぐという場合でも、SPF30もあれば問題はなさそうですね ^^)

※ なお、これらの数値は1cm2に2mgと、かなり分厚く塗った場合の数値だという点に注意してください。

日焼け止めの害 - できるだけ効果の弱い製品を選ぼう

最後に、日焼け止めの選び方で重要な「できるだけ日焼け止め効果の弱い製品を選ぶ」について解説します。

あまり知られていませんが、なんと日焼け止めは 塗っても塗らなくても肌に悪いんです!


日焼け止めを塗らずに夏の日光を浴びると、大変なことになる(例:シミ、肌の老化、皮膚ガンのリスクが高まる など)については、上述の通り。

しかし 日焼け止め自体の成分も、肌の老化や皮膚ガンのリスクを高めたり、かぶれたり、アレルギーを引き起こしたり、します。


可能であれば、帽子、日傘、パラソル、サングラス といった日焼け止めアイテムを活用し、直接 肌に塗る日焼け止めは避けましょう。

そして、プールや海など どうしても日焼け止めを肌に塗る必要がある場合には、可能な限り日焼け止め効果が弱く、成分に「紫外線吸収剤」が含まれていないものを選びましょう。

日焼け止め効果の高い物であればあるほど、肌へ負担がかかります。また、日焼け止めの成分には「紫外線吸収剤」と「紫外線散乱剤」がありますが、「紫外線吸収剤」の方が より肌に悪いんです。

日焼け止めに使われる「紫外線吸収剤」の例

  • メトキシケイヒ酸オクチル
  • ジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリジンプロピオン酸オクチル
  • ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル
  • t-ブチルメトキシジベンゾイルメタン
  • オクチルトリアゾン
  • パラメトキシケイ皮酸2-エチルヘキシル

など

日焼け止めに使われる「紫外線散乱剤」の例

  • 酸化チタン
  • 酸化亜鉛

など


なお、SPF50で「紫外線吸収剤」が不使用の日焼け止めは、おそらくありません

最適な日焼け止めの目安

よほど日焼けに弱い人や、灼熱の砂漠を旅行、炎天下の海で長時間泳ぐ のでもなければ、PAは PA+ 〜 PA++、SPFは10〜30程度で充分。

その一方で、強力すぎる「PA++++ / SPF50」の日焼け止めが 日本国内で必要となるシーンは、さほど無いような気がします。


上で「日焼け止めの害」について解説したとおり、強力な日焼け止めほど 肌への負担が大。

安易な「強い日焼け止めであれば大丈夫だろう」という考えは避けましょう。


また、強力な日焼け止めを塗るよりも、弱い日焼け止めを2〜3時間ごとに塗り直した方が、肌にも日焼け対策にも良いという研究結果もあります。

ぜひ、皆さんのレジャー目的に合わせて、ピッタリの日焼け止めを選んでみてください。

この記事のまとめ

【日焼け止めの知識】SPFやPA+の計算方法、選び方について
  • 紫外線の三種類(UV-A, UV-B, UV-C)
    【UV-A】老化の原因。
    【UV-B】肌の炎症・免疫力低下・皮膚ガンの原因。
    【UV-C】オゾン層のバリアによって地表には降り注いでこない。
  • 日焼け止めの「PA+」とは?
    UV-Aから肌を保護する効果を表したもの。PAに続く+が多いほど効果がある。
  • 日焼け止めの「SPF」とは?
    UV-Bから肌を保護する効果を表したもの。数値が大きいほど効果がある。
  • 日焼け止めの害 - できるだけ効果の弱い製品を選ぼう
    日焼け止め自体の成分も肌に良くない。可能であれば帽子や日傘などで代用する。肌に塗る場合は、日焼け止め効果が弱く「紫外線吸収剤」が含まれていないものを選ぶ。

みなさんの美肌・健康の手助けになれば幸いです♪