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【加熱殺菌が効果なし!?】一晩寝かせたカレーには、食中毒のウェルシュ菌がウジャウジャ...

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【加熱殺菌が効果なし!?】一晩寝かせたカレーには、食中毒のウェルシュ菌がウジャウジャ...

カレーライスと言えば、日本では家庭料理の定番的な存在です。

子供〜大人まで老若男女を問わず、幅広い層に支持されているカレーライス。その人気は「カレーライスを食べたことが無い日本人などいない」と言っても過言ではない程♪

さて、そんな大人気のカレーライスですが、実はとっても食中毒に弱い食べ物だということを、みなさんはご存知でしたか?

夏場は特に食中毒が発生しやすく、また、キャンプや合宿など カレーライスを作る機会が多くなりがちです。

ここでは、カレー鍋の中に食中毒菌が増殖するメカニズムや、その撃退法などについてご紹介します。

【加熱殺菌が効果なし!?】一晩寝かせたカレーには、食中毒のウェルシュ菌がウジャウジャ...

1.アルコール消毒や加熱殺菌が効かないウェルシュ菌

アルコール消毒や加熱殺菌が効かないウェルシュ菌
出典:東京都福祉保健局

「ウェルシュ菌」という食中毒の菌があります。

食べ物を通して人の体内に入ると、小腸内で増殖。エンテロトキシンという毒素を放出し、人を発熱・腹痛・嘔吐・下痢などで苦しめます。

一時期マスコミを騒がせたO-157に比べると、毒性の強さはさほどではありません。しかし、子供や老人・免疫の弱い人の場合は、致命的な症状を引き起こすこともあるため、油断は禁物です。

そして このウェルシュ菌には、アルコール消毒や加熱殺菌が効きません!・・・これが、ウェルシュ菌の最も厄介な点です。

2.カレー鍋には、ウェルシュ菌が増殖しやすい環境が整っている!

さて、そんな厄介な食中毒菌であるウェルシュ菌ですが、なんと「カレー鍋に非常に増殖しやすい」という特性を持っています。

ウェルシュ菌がカレー粉の成分を好んでいるわけではなく、

  • 肉類、魚介類、野菜 を使用した煮物。
  • 大量に加熱調理される。
  • 室温で数時間放置される。

という、これらカレー料理の特徴が、ウェルシュ菌増殖の温床になっています。

そのため、上記の特徴を満たす他の料理(ex シチュー、スープなど)においても、同様にウェルシュ菌が増殖する可能性が十分にあります。

3.ウェルシュ菌増殖のメカニズム

では、どのようにしてカレー鍋の中でウェルシュ菌は増殖するのでしょうか?

ウェルシュ菌は何処からやってくるの?

実は、肉・魚介類・野菜は、もともとウェルシュ菌が付着している状態でキッチンにやってきます。

というのも、ウェルシュ菌は自然界の至る所に存在します。土・川・動物や人の体内など、ウェルシュ菌のいない場所を探す方が難しいぐらいです。

では何故、普通に生野菜を食べても食中毒にならないのかというと、食中毒の症状は菌を1〜2個摂取した程度では発症しないためです。

食中毒に限らず、例えばインフルエンザなどにおいても、ある程度のまとまった個数を同時に摂取しないと、菌による症状は発症しません。これを「発症菌数」と呼びます。

食中毒の原因とされる主な菌の発症菌数は、O-157:100個程度、サルモネラ菌:1万〜10万個程度、ウェルシュ菌:1000万個程度 と言われています。

カレー鍋の中のウェルシュ菌

具材や人の手指を通してカレー鍋に入り込んだウェルシュ菌は、初めは他の食中毒菌たちと仲良く鍋の中にいます。しかし鍋が加熱されるにつれ、熱に弱い他の食中毒菌はドンドンと死んで行き、数分もすればカレー鍋の食中毒菌はウェルシュ菌だらけになります。

さて、いくら熱に強いウェルシュ菌といえども、グツグツ煮えたぎる鍋の中は非常に住み辛い環境です。そのため、自身を硬い殻で覆った「芽胞(がほう)」と呼ばれる状態に変身します。

この芽胞の状態とは、言わば自身の周囲に強力なバリアを張っているようなもの。沸騰したお湯で4時間以上煮こもうが、冷凍庫で氷漬けにしようが、アルコール消毒を吹きかけても、この芽胞のバリアには通用しません。

そして、カレー鍋の調理が終わると 人が食事を開始します。まだここまでの段階では、鍋の中のウェルシュ菌の数は さほど多くありません。

しかし、問題はこの後。
食べきれず鍋に入ったままのカレーは、そのままにしておくと冷えて温度が下がっていきます。そしてカレーの温度が下がると、殻のバリアを張っていたウェルシュ菌は、殻から出てきて再び「菌」としての活動を再開します。

ウェルシュ菌は、酸素を嫌う「嫌気性」と呼ばれる菌のグループです。そのため、空気が入ってこないカレー鍋の中央〜底部分で、適度に生暖かい環境の元、猛烈な勢いで増殖を始めるようになるのです。(ウェルシュ菌が最も増殖する温度は、43〜47℃と言われています。)

約10分で分裂する(=2倍に増える)ウェルシュ菌は、10分後には2倍、20分後には4倍、30分後には8倍、...1時間後には64倍、2時間後には4096倍、...なんと8時間後には281兆倍にも増殖します!

翌朝、一晩たって熟成されたカレーを食べると、こんなに大量のウェルシュ菌を摂取することになってしまうわけです。これでは食中毒になって当然ですね。

・・・これが、ウェルシュ菌が食中毒を引き起こすメカニズムだったわけです。

4.正しいカレーの保存方法

さて、上でご説明した「ウェルシュ菌が増殖するメカニズム」を踏まえて、食べきれずに残ったカレーを正しく保存する方法を考えてみます。

其の一:常温保存しない(加熱 or 冷蔵)

カレーが冷えてウェルシュ菌が住み良い温度になると、ウェルシュ菌は殻から出てきて活動(増殖)を開始します。その為、カレーが常に60℃以上になるよう加熱し続けることで、ウェルシュ菌を殻の中に閉じ込め、増殖を防ぐことができます。

「一晩もカレーを火にかけ続けられないよ」という場合には、冷蔵庫で保存する方法も有効です。冷蔵庫内のように寒すぎる環境においても、ウェルシュ菌は殻の中に閉じこもり、活動を停止します。

其の二:小分けにする

上述のように、ウェルシュ菌は空気を嫌う性質があるため、小分けにして空気に触れる表面積を増やすことも大切です。また、小分けにすると熱が伝わりやすくなるため、冷蔵庫の保管時には特に有効です。

其の三:食べる直前で再度加熱する

ウェルシュ菌自体には加熱の効果はありませんが、ウェルシュ菌が作り出した毒素は、過熱することで無害化されます。冷蔵庫に入れたカレーを食べる前に、一度火を通しましょう。

この記事のまとめ

【加熱殺菌が効果なし!?】一晩寝かせたカレーには、食中毒のウェルシュ菌がウジャウジャ...
  1. アルコール消毒や加熱殺菌が効かないウェルシュ菌毒性はさほど強くはないウェルシュ菌ですが、殻に閉じこもって身を守る性質があるため、アルコール消毒や加熱・冷凍でも殺菌されません。
  2. カレー鍋には、ウェルシュ菌が増殖しやすい環境が整っている!カレーだけではなく、肉類・魚介類・野菜を使用した煮物で、調理後しばらく常温で保管される料理は危険です。
  3. ウェルシュ菌増殖のメカニズム調理中は殻に閉じこもって身を守り(芽胞)、カレーの温度が下がると、殻から出てきて再び活動を開始(発芽)します。ウェルシュ菌は10分で分裂するため、8時間後にはなんと281兆倍に増殖します!
  4. 正しいカレーの保存方法短時間の保存なら 60℃以上に加熱し続ける。数時間の保存なら 小分けにして冷蔵庫へ。

いかがでしょうか?

「カレー」と聞くと、グツグツ煮込むし、スパイスも豊富だし、およそ食中毒とは縁がなさそうなイメージですよね?

そのため、きちんとこうして 科学的に危険性を知ることは、とても大事なことだなぁと思います。

カレーだけではなく、シチューや野菜スープを保管する際にも、ぜひ気をつけたいですね^^

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