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【アルコール依存症】『お酒を飲み続けると、お酒に強くなる』の罠 p.2

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【アルコール依存症】『お酒を飲み続けると、お酒に強くなる』の罠 p.2

4.MEOSが増えてアルコール耐性がつくデメリット

さて、前ページでご紹介したように、「飲酒の習慣はMEOSを増やし、アルコール耐性が身につく(=酔いにくくなる)」というのが、アルコールに対する最新の学説です。

・・・これだけを見ると、ガバガバ毎日お酒を飲んでMEOSを増やしておいた方が、イザという時に役立ちそうな気もしますよね?

しかし現実は、誰一人として "過度な飲酒" を勧める専門家はいません。MEOSが増えることは、酔いにくい体質にはなるものの、人体にとって致命的となる多くの副作用を呼び起こしてしまうんです。

以下にその副作用をご紹介します。

アルコールが体内で分解される過程

MEOSが増えると、他の薬が効きづらくなる

上述のとおり、そもそも人体において「アルコール分解」を担当しているのはADHとALDH2。

MEOSの本来の仕事は「薬物代謝(薬成分の分解)」であり、ADHとALDH2だけでは処理しきれない場合のみ、アルコール分解を手助けします。

そのためMEOSの効き目が強くなると、アルコールにも耐性がつく反面、他の薬にも耐性ができてしまい、他の薬が効きづらくなるんです。

MEOSは活性酸素を生み出す

MEOSがアルコールや薬などを分解する際には、「活性酸素」が生み出されます。

活性酸素とは、脳・内臓・神経の細胞やDNAを傷つけ、癌や老化、様々な病気の原因と言われている有害な物質です。

MEOSが増え、MEOSがどんどんアルコールを分解するようになると、活性酸素も大量に生み出されることになります。

その結果、癌(特に 肝臓がん)のリスクが著しく上昇し、全身の老化・脳細胞の破壊などが促進されてしまうんです!

MEOSが増えることは、全身の癌リスクを上昇させる

上でご紹介した「活性酸素を生み出すこと」も、MEOS増加が癌リスクを高める大きな要因です。

それに加え、『MEOSがアルコールを分解する際に、体内で癌の原因物質を分解する働きのある「シトクロムP450 2E1酵素」を使ってしまう』という衝撃的な内容も報告されています。

本来ならば癌を抑制するための酵素を、MEOSがアルコール分解時に使用してしまうため、MEOSの増加は全身の癌リスク(肝臓がんだけでない)を上昇させることになるんです!

MEOSによるアルコールの分解速度は、無限ではない

「生まれつき働きが決まっているADHやALDH2とは異なり、MEOSは定期的な飲酒によって増加する」という点は、既に上述した通りです。

ところで、飲酒によってMEOSがどの程度まで増えるのか、未だに詳しいことは分かっていません。ただ、大量飲酒の習慣がある人は お酒を飲まない人に比べて、MEOSが10倍以上になる例も報告されています。

しかし、MEOSの量が10倍になったからとはいえ、アルコールの分解速度が10倍になるわけではありません。MEOS増加によるアルコール分解速度の上昇は、せいぜい1.5倍〜2倍が限度。(← もちろん、これでもかなり凄いアルコール耐性です。)

そして「いくらMEOSが増加しても、アルコール分解速度はある一定ラインで頭打ちになる」という性質は、「アルコール依存症」という深刻な症状を引き起こします。

5.アルコール依存症の原因=MEOSアルコール分解速度以上の大量飲酒

さて、MEOSが増えてアルコール耐性がつくということは、すなわち「MEOSが手助けしなければならないほどの大量飲酒が習慣化している」ということに他なりません。

そして上述のとおり、MEOSのアルコール分解速度は無限ではなく、いずれ限界がやってきます。

ところが、そのままお構いなしにMEOSのアルコール分解速度を上回る飲酒を続けていると、序々に酔いを感じないように脳が変化していくんです。

この状態が、恐怖の「アルコール依存症」の始まりです。

アルコールも広義では麻薬の一種。麻薬は使い続けていく中で、使用量をどんどん増やしていかないと、初期のような快感が得られなくなっていきます。

これと同様に、人体で分解できるアルコール量を遥かに超える飲酒を続けていると、脳や中枢神経がアルコールの刺激に麻痺してしまい、血中アルコール濃度が高くても酔いを感じにくくなります。

ここまで来ると、「酔い」の快感を得るために、飲酒量は増える一方。・・・これが典型的な「人がアルコール依存症へと陥るメカニズム」です。

アルコール依存症は非常に危険であり、本人にさほど酔っている自覚が無くとも、知らず知らずのうちに全身がアルコールによって破壊されていきます。

アルコールが人体に及ぼす悪影響としては、肝硬変、肝臓がん、糖尿病(いきなりの気絶、失明)、心筋梗塞、脳梗塞、脳萎縮(記憶力・思考力障害)、手足の震え(箸やスマホが操作できなくなります)、吐血、生殖器障害(男性の場合:インポテンツ、精子の奇形、身体の女体化。女性の場合:不妊、生理不純、奇形児)など。

また、アルコールが無いと生きていけない精神状態となり、鬱や自殺衝動も引き起こしてしまいます。

この記事のまとめ

【アルコール依存症】『お酒を飲み続けると、お酒に強くなる』の罠
  1. 体内に吸収されたアルコールが分解されるまで 体内に入ったアルコールは、ADHにより「アセトアルデヒド」と呼ばれる毒性の強い物質に変化し、その後ALDH2によって 人体に無害な「酢酸」へと変化します。
  2. お酒の強さは生まれつきで、鍛えることができない?ADHは個人差がほとんど無く、ALDH2の働きは先天性であるため、「お酒の強さは生まれつきで、鍛えることができない」という説が医学会でも長期に渡り支持されてきました。
  3. MEOSによる、アルコールのもう一つの分解過程近年の研究により、「アルコール分解は通常ADHとALDH2によって行われるが、処理が追いつかない場合、MEOSがアルコール分解を手助けする」ということが判明。そして、MEOSは定期的な飲酒により増加するため、「お酒を飲み続けることでお酒に強くなる」という主張の正しさが、科学的に証明されました。

  4. MEOSが増えてアルコール耐性がつくデメリットMEOSの増加は、酔いにくい体質を作る一方で、「他の薬が効きづらくなる」「活性酸素を大量に生み出す」「癌の抑制物質が失われる」といった副作用を誘発します。
  5. アルコール依存症の原因=MEOSアルコール分解速度以上の大量飲酒MEOSのアルコール分解速度には限界が訪れますが、そのまま大量飲酒を続けると、脳や中枢神経が血中アルコール濃度が高くても酔いを感じにくい状態となります。こうしたアルコール依存症は、自覚なく身体を破壊し、失明や心筋梗塞・脳萎縮などの深刻な症状を引き起こします。

「お酒を飲み続けると、お酒に強くなるって本当?」という疑問から、アルコール依存症の発症メカニズムまでをご紹介しました。

どうやら「大量飲酒の習慣が酔いにくい体質を作る」というのは、医学的に裏付けられた紛れも無い事実のようです。

しかし、アルコール耐性を持つことは大きな爆弾を抱え込むことであり、さらに、アルコール依存症からの回復率は10〜30%と極わずかに留まっています。

もし、「アルコールの耐性をつけよう」と毎日お酒を飲んでいる方がいらっしゃいましたら、人生を犠牲にしてまで得るメリットがあるのかどうか、一度よ〜くお考えください♪

皆さんのお役に立てましたら幸いです^^

【アルコール依存症】『お酒を飲み続けると、お酒に強くなる』の罠(全2ページ)
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